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妄想垂れ流し。 SS駄目な人は注意してね。 基本的にエロパロ版のゆゆこスレで投下したのを載せてます。
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・竜児 大河 櫛枝 北村 その他
・最後まで読んでね系


――大河が死んだ。

そのことを実乃梨から聞いたのはまだ寒さが残る日の朝だった。

「…た…大河がね…昨日…事故…に…あった…らしいの…」
目を真っ赤に腫らし、今も泣きながら言う実乃梨が遠のいて感じる。
竜児の頭は修学旅行のときのように吹雪が吹いていた。

死んだ?あの大河が?
誰よりもワガママでドジだけど、あの頑丈な大河が?

「え…、でも、俺は、聞いて…ないぞ…」
竜児は今朝の光景を思い出す。
確かに朝起こしに行ったときには大河は家には居なかった。
たまたま早く起きて先に行ったんだろうと…思っていた。

――大河が?先に?朝飯も食わずに?

疑問はあったのだ。悪い予感はしていた。
家出以来大切にしていた大河とのいつもの日常が…その日は違っていた。

「昨日の…夜、にね…病院から…電話が、あったの…」

夜…昨日の夜…大河が帰ったあとすぐに寝た気がする。
その間に病院から連絡があったのだろうか。

竜児にはどこか他人事のような気がしていた。
だって、あの大河が?
ありえないのだ。竜児の知っている大河はそんなやわな奴ではない。
しかし泣いている実乃梨を見ていると信じたくない気持ちが湧き上がってくる。

いつだって傍にいた。
いつだって傍にいてくれた。
もう離さないと、そう思った。

「…あんたが……す、す…好き…なのよ…」
家出した晩、そう言ってくれた。
顔を耳まで真っ赤にしながら、ちゃんと言ってくれた。

なんだかくすぐったくて、もどかしくて、抱きしめたら殴られたのだけれど。

そんな大河ともう一緒に居られないなんて…「イヤだ。」
思ったことが心からあふれ出して言葉になって出てしまっていた。
信じられない気持ちが強く、涙なんか出てこない。

 

―っはと気づく。
いつの間にか学校についていた。
実乃梨はまだ泣いているけれども、竜児の後ろについてきている。

そうだ、先に学校に来ているんだ、教室に居るはずなんだ。

竜児は走り出していた。
上履きに履き替えている時間がもどかしい。
階段を上っている時間がもどかしい。

実乃梨のことを置いてきてしまったけれども、
今竜児の心の中にあることは

『大河に会いたい。』

それでいっぱいだった。


教室に着くまでに思い描いたさまざまな空想――大河が居るという、
考えは、すぐに、打ち砕かれた。

だって教室にあったのはあまりにも冷酷な。

「なんだ…これは……!!!」
なぜ…大河の机の上に花瓶が、花の入った花瓶がある。
こんなの嘘だ、嘘だ…。

信じたくない気持ちが、竜児を追い詰める。
考えがグルグルと回り、天地がひっくり返ったような錯覚に陥る。
胃の中のものが今にも出てきそうだ。

クラスメイトがこちらを心配そうにうかがっているのがわかった。
一人にしてほしいのに…追い討ちをかけるように北村が近づいてくる。

「…高須…知っているとは思うが、逢坂は…」
「…っ」
「高須!」
思わず駆け出してしまう。
その先は、…聞きたくなかった。

 

大河を探し回った。
二人で行った場所はすべて回った。

大河の影を追う。
町のすみからすみまで。
全力で走っているから肺が悲鳴をあげる。
竜児の鬼のような必死の形相に泣き出す子供。おびえる住人。


――知ったことか。
大河さえ笑っていてくれればいいのだ。


家出の晩抱きしめられたはずの大河は…いまや竜児の手をすり抜けてしまっていた。

誰にも届かないところまで。

 

 

 


「…」
どうやら、クラスメイトは全員で竜児を探していたようだった。
町を彷徨っているところを実乃梨に見つかり、
学校まで無理やり連れ戻されてしまった。
どのみち今の竜児には行くあてなどもうなかったのだが。

そして、教室に戻り、大河の机の上の花瓶を見た。


「…高須…」
「…高須くん…」
北村と実乃梨が、竜児を心配そうに見ている。

そして気づいた。
そうか、自分は泣いているんだ、と。

大河が、居ない。
それは自分が引き裂かれるよりも辛かった。


「…高須…お前は、逢坂が好きだったのか?」
北村が真剣な目で尋ねてくる。

竜児はうなずくしかできなかった。
涙は止まらない。

「そうか…そんなに大河のことが好きだったんだ?」
実乃梨も真剣な目で尋ねてくる。


「あぁ…世界なんかいらない。…大河がいれば…それだけでよかった。」
そうだ、大河のいない世界なんか…いらない…。

「俺は…っ!あいつになにもしてやれなかった……!
好きとも言ってなかった!忘れてたんじゃないっ、恥ずかしかっただけなんだ…
なんで…、いまさら言ったって、もう、お前には届かないじゃないか………っっっ!!」


涙は、止まらない。
最愛の人へ、届くはずのない言葉を叫ぶ。

「大河ーーーーーっっっ!好きだっっっ!戻ってきてくれーーーーーーーーっっっっっっっ!!」

ガラッ。
教室の扉が開く。

そこには見間違えるはずもない、
最愛の、

 

手乗りタイガー。

 

耳まで真っ赤に染めて、
ヤカンなんかすぐ沸いてしまうほどに、
今までで一番真っ赤だった。

「…あ、あんたが悪いんだからね…」
「というか…なんて恥ずかしいことを言ってくれてんのよ…」
ゴニョゴニョ、言葉にならないようなことをうつむいてつぶやいている。
顔は笑みが抑えきれないのか、隠しているつもりだろうが嬉しそうな顔だった。

「あ~ぁ、大河、もうでてきちゃっていいのー?」
「うん、やっと素直になったな高須!」
実乃梨と北村が豹変した。
気づけばさっきまで心配していたような顔をしていたクラスメイトが、
全員ニヤニヤしている。

「高須…お前は男だ!」
「いやー、すごい告白だったわ…」
春田と能登が納得したような顔をしている。

女子は全員「あんな告白されたいー!」「ドラマみたい!」「高須君て愛情表現はげしー!」
とわいわい騒いでいる。


頭が…ついていかない。
なんなんだこの状況は。
そんな様子に気づいたのか北村が近づいてくる。
「高須、今日は何月何日だ?」

「…え、きょうは、4月1…あーーー!」
気づいた。今日はエープリールフールか!!

「いやでもだからって!なんでこれだけ大掛かりなんだよ!!」
実乃梨も近づいてくる。
「高須くん、ちゃんと言わなきゃ気持ちは伝わらないよ。
大河はさ、高須くんが自分をちゃんと好きか―――」
「みのりーーーーーーん!!!」
おうふっ、と、大河にジャンピングタックルを食らった実乃梨は派手に吹っ飛んでいった。
なぜか親指を立ててグッとして…力尽きた。
「違うのこれはねなんというかみんながどうしてもっていうからしかたなくね
別に裏なんかなくてただ単に竜児をおどろかせようってみんなで決めてだから
私がたのんだんじゃなくてね別にあんたが私をどう思ってるかとかかんけいなく
てねこれはそうどういったらいいのかな超能力をかいはつしてやろうと思って
ねイタコ的なああ男だからシャーマンかじゃなくてだからわたしはああああ、あんたが……私を…好き…なの…?」

 

…そうか、自分は好きだってちゃんと言っていなかったな。
竜児は心が温かくなっていくのを感じながら
愛しい目の前の、不器用な少女を見つめていた。
「おう、好きだ。」

そう言って、自然と顔は大河に近づく。
驚く大河と、有無をいわさず軽く口付けをする。

――ファーストキスは、クラス中に見つめられていた。

「うおお!生徒会規約ではキスは禁止ではなかったが大胆な!」
「高須くん!大河を泣かせたら許さないよ!」
「高須があの手乗りタイガーとキキキキキ、キスー!?」
「きゃー!高須くん大胆ー!」
クラス中が色々叫んでいる。
それでもみんな、祝福してくれているのだ。


このクラスで、よかった。
みんなと、大河と会えて、よかった。


「お前を、もう絶対放さない。虎と竜は、二つでひとつだ」

大河は胸を前に突き出し、フンッと一言。
「あ、あ、当たり前じゃないのよ!責任はとってもらうわ!!」
背中に回し蹴りを食らう。
痛い。さすが手乗りタイガーだ。

…ちゃんと生きて、ここにいるんだ。

喜びが、湧き上がってくる。

世界はこんなにも輝いている。

目の前に、
最愛の、
ワガママで、
ドジで、
でもいつも一生懸命な小さな女の子がいるだけで。


もう二度と、離すもんか。


end

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プロフィール
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性別:
男性
趣味:
とらドラのSS書き
自己紹介:
大河超可愛すぎ

竜児と大河に幸あれ

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